脳卒中後遺症

脳卒中後遺症

脳卒中って何?

intro

脳卒中は脳血管の閉塞や破綻などの原因によって、脳の神経細胞が障害された病態の総称のことです。脳血管の狭窄や閉塞などによる虚血性脳卒中(脳梗塞)と、脳血管の破綻による出血性脳卒中(脳出血やクモ膜下出血)に分けられます。

脳卒中が発症したら、出来る限り早く医療機関を受診し、早期診断と治療を開始することが重要です。鍼施術を併用する場合でも必ず医科連携をとることが重要です。

鍼灸施術

醒脳開竅法

醒脳開竅法(XNKQメゾット)は『世界最大の鍼灸科を有する天津中医薬大学第一附属病院の石学敏教授が開発した脳卒中に対する特殊鍼法』です。 急性期から介入することで、症状の改善が期待できます。

天津中医薬大学第一附属病院

天津中医薬大学第一附属病院は世界最大の鍼灸外来と病棟を有しており、鍼灸科単独でも外来数は2000人/日、病床は600床もあります。また、脳卒中と心臓血管疾患の国家中医臨床研究の中心ですので、来院される方のほとんどが脳卒中の患者さんになります。天津中医薬大学の石学敏教授は脳卒中に対する鍼灸治療である醒脳開竅法 (XNKQメゾット) を開発し、2005年発表の論文では9005例の脳卒中に対する醒脳開竅法の臨床データを取っており、急性期から治療介入し、良好な治療成績をあげています。また、鍼灸治療を定量化したことでも有名であり、しっかりと臨床研修を積めば、誰でも同じ効果が出せるように体系化されています。天津中医薬大学第一附属病院の中医師の先生方はほとんど同じ手技や経穴を用いて、脳卒中後遺症に対する治療を行っています。

脳卒中に対する効果

中国国内の脳卒中患者9005名に醒脳開竅鍼刺法を用いて3~5クールの治療を行った結果は

​   1.醒脳開竅鍼刺法による治療は出血、脳梗塞、仮性球麻痺に対して同様に有効あり、総有効率
     は98%以上であった
   2.醒脳開竅鍼刺法は脳卒中急性期患者の脳血流を改善させ、脳組織損傷を軽減し、血栓形成を
     減少させることにより、脳組織修復を促進させた
   ※1クールは10日間の連続施術になります

石学敏(2005)「“醒脑开窍”针刺法治疗中风病9005例临床研究」,『中医药导报』11(1),pp.3-5

当院での施術例

天津中医薬大学第一附属病院と同様に、脳卒中後遺症に対しては醒脳開竅法を用いて鍼施術を行っていきます。痙性麻痺がある場合には神経幹刺鍼(サブ穴である極泉、尺沢、委中)を行うと痙性亢進が起こるので、伝統的な陽明経排刺を行います。さらに多種多様の症状に対して、鍼施術を行う経穴を追加していきます。
  ・全身調節    …三焦鍼法
  ・片麻痺     …陽明経排刺
  ・手指拘縮    …上八邪
  ・内反尖足    …太渓 
  ・嚥下障害    …上廉泉、傍廉泉、翳風
  ・排尿障害    …関元、中極、三陰交
  ・便秘      …天枢、水道、帰来、豊隆
  ・うつ症状    …外神門
  ・睡眠障害    …復溜
  ・認知障害    …百会、四神総
  ・パーキンソン症状…頭皮鍼舞踏振顫区
  ・小脳失調症状  …枕三経排刺
  ・視野欠損、幻視 …頭皮鍼視区

施術頻度

鍼灸施術は発症から1年以内では週2回以上、重症例では週4~5回を推奨します 。その後、症状の回復に伴って施術間隔を伸ばしていきます。

脳卒中発症後に何年も経ってから鍼施術を希望される患者さんが多いですが、鍼灸もリハビリと同様に発症から1年以内が最も効果を発揮します。バイタルなどが安定して医師から許可が下りた場合は、できるだけ早期から鍼施術を受けることをお勧めしています。また、鍼灸を受けるからリハビリを受けないと言うことを時々耳にしますが、アプローチの機序が異なること、同時併用でも副作用がなくむしろ相乗効果が見込めるため、できる限りのリハビリを行いながら『プラスアルファ』としての鍼灸をお勧めしています。

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